落語の基礎知識:落語の解説
落語(らくご)とは…
近世期の日本において成立し、現在まで伝承されている伝統的な話芸の一種です。
衣装や道具、音曲を極力使わず、身振りと語りのみで物語を進めてゆく独自の演芸であり、高度な技芸を要する伝統芸能といえます。
本来「落語」とは落語家が行う演目(ネタ)のなかでも滑稽を中心とし、落ち(サゲ)を持つ「落とし噺」(おとしばなし)のことを指したが、現在では人情噺・芝居噺をも含めた総称として用いられています。
寄席や演芸場(ホールともいう)の興行で演じるプロを落語家(噺家/はなしか)と呼び、戦前までは彼らの多くが興行収入の歩合(割)によって生活を保障されていましたが、今日は芸能プロとの契約により生活している者も多いのが実情です。
因みに江戸落語と上方落語には小道具や慣習に違いがあります。
大阪・京都を中心とする関西圏で主に演じられる落語のことを指す呼び名です。
「上方落語」という言葉は、花月亭九里丸著書の『寄席楽屋事典』によると、1932年(昭和7年)7月1日発行の雑誌『上方』十九号で初めて使われたようです。それまでは「大阪落語」、「京都落語」と呼ばれていました。現在では京都落語が衰えてしまったので、大阪落語のことを指して上方落語と呼んでいます。
近世期の日本において成立し、現在まで伝承されている伝統的な話芸の一種です。
衣装や道具、音曲を極力使わず、身振りと語りのみで物語を進めてゆく独自の演芸であり、高度な技芸を要する伝統芸能といえます。
本来「落語」とは落語家が行う演目(ネタ)のなかでも滑稽を中心とし、落ち(サゲ)を持つ「落とし噺」(おとしばなし)のことを指したが、現在では人情噺・芝居噺をも含めた総称として用いられています。
寄席や演芸場(ホールともいう)の興行で演じるプロを落語家(噺家/はなしか)と呼び、戦前までは彼らの多くが興行収入の歩合(割)によって生活を保障されていましたが、今日は芸能プロとの契約により生活している者も多いのが実情です。
因みに江戸落語と上方落語には小道具や慣習に違いがあります。
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上方落語(かみがたらくご)とは…大阪・京都を中心とする関西圏で主に演じられる落語のことを指す呼び名です。
「上方落語」という言葉は、花月亭九里丸著書の『寄席楽屋事典』によると、1932年(昭和7年)7月1日発行の雑誌『上方』十九号で初めて使われたようです。それまでは「大阪落語」、「京都落語」と呼ばれていました。現在では京都落語が衰えてしまったので、大阪落語のことを指して上方落語と呼んでいます。
落語の基礎知識:落語の特徴
落語とは、身振りと語りのみで物語を進めてゆく演芸です。他に類を見ない芸といえるでしょう。そこで落語の表現の中で重要だと思われることを解説していきます。
1 言葉
音声として発せられる口頭語。
2 仕草
最小限のものに限られ、基本的に立上って歩くことはない。
3 仕草のための小道具
扇子、手ぬぐい、上方落語における見台と拍子木、張扇の五種に限定される。
4 そのほか特殊な演目における付随的要素
上方落語・音曲噺のはめもの、芝居噺の書割・ツケなど。
5 口演には直接関係ないが、落語の演ぜられる場を構成する要素
出囃子、噺家の衣装(着物)、座布団、高座、めくりなど。
の五種に区分することができるます。このうち特に重要なのは言葉と仕草であり、これが落語という芸の根幹を成しているといえるでしょう。
落語が再現芸術でありながら演劇や舞踏と一線を画しているのは、演劇・舞踏といった芸能が通常扮装を伴って演技されるのに対して、落語は扮装を排し、素のままで芸を見せるためです。すなわち落語では、噺家は登場人物や話の流れに相応しい身なりや格好をモノ(衣装・小道具・大道具・書割・照明・効果音)で表現することはなく、言葉と仕草によって演出効果をねらうためです。そのために、落語の表現要素は、噺家の芸に結びつく基本的な要素(言葉、仕草)、またそれらを助けるためにその場に応じて何にでも変化できるようなニュートラルな最低限のモノ(小道具、衣装)とに区分することができると思います。
これは、素の芸であることを前提とする落語の大きな特徴であるといえるでしょう。
一般的に古典落語には定められた口演台本があり、噺家はこれを記憶して高座で再現します。すなわち落語のもっとも基礎的構成要素は、これらの台本を含めた「言葉」であるといえます。言葉の側面から見た落語には以下のような特徴が指摘できます。
・地の文と会話文(対話文)で構成されているが、噺の勘所にくると会話文によってテンポよく話をすすめてゆき、説明的な地の文がすくなくなる(この点が話芸としての講談の相違である)。
・地の文の省略によって伝えきれないディテール(登場人物の細かい気持の変化や感情、会話をとりまく情景)は仕草によって補われて表現される。
・登場人物の多寡にかかわらずすべてを一人で演じ、役割わけをしない。このため声調、言葉づかい、話しかたなどによって登場人物の個性を印象づける工夫がなされる。
・会話文から地の文への移りやその逆の場面、あるいはその他大勢的な多人数の会話においては、だれの視点から語られているのか判然としないナラティブが存在したり、気づかない間にナラティブが入れ替わったりするが、それが聴衆には不自然に聞こえない。
仕草は、落語において言葉の欠を補うための存在です。すなわち演劇のように話のすべての部分について仕草が伴っているわけではなく、言葉だけでは表現しきれない部分に補足的な意味を持って仕草が付加されているのです。もっとも「言葉だけでは表現しきれない」内容については、言葉では端的に表現できない動作や前述「言葉」の項で述べたような地の文の欠如を補うといった低次のものから、素の芸において聴衆のイマジネールを刺激するために付加されるきわめて高度のものまで含まれます。仕草においても言葉同様、一人全役が原則であり、噺家は必要に応じて次々にさまざまな役のさまざまな仕草を仕分けることになります。
仕草の主なものには次のようなものがあります。
表情:登場人物の表情を演じる。必要に応じてわざと強調した、おもしろい表情をつくることもある。
視線:上位の人物が下位の人物に話しかける場合には舞台下手を向き、逆の場合には舞台上手を向く。会話の部分において、こうして視線を切り替えることが、登場人物を仕分けて聴衆に印象付ける効果的な手法となる。
ものを食べる:閉じた扇子を箸に見立てて、あるいは手づかみで、さまざまなものを食べる仕草が落語のなかにはあり食べものや食べる状況によって仕分けるコツがそれぞれにあります。
歩く:正座したまま、あるいは軽くひざ立ちぐらいになって、手をぶらぶら動かしながら、両膝を交互に動かす。立上って実際に歩くことは基本的にありません。
書く:もっとも一般的には手ぬぐいを帳面や紙、扇子を筆に見立てて字を書きます。上方落語の場合は見台を机に見立てることもあります。
舟を漕ぐ:落語にはめずらしい大きな動きで、扇子を竿や艪にして演じる。力仕事らしい感じを出さなければならない。
寝る:横になることができないので、腕を添えてひじ枕の感じを出す。演出上の工夫である。
指さす・目をつかう:落語の性質上、噺のなかに登場するモノを実際に高座に持出すことは不可能であるために、虚空を指さしたり、見たりすることで、あたかもそれらがあるかのように演じる工夫がある。例えば「刀を抜く」という仕草の場合、扇子を柄に見立てて抜いた後、鍔元から切先まで視線を動かしながら見ると、刀の長さが観客に伝わるという口伝がある。
涙を流す:主に人情噺で多く用いられる。高座に持参した湯呑みの中の茶や湯に指をつけ、その指で目の下を縦になぞる。
落語家は単純な柄か無柄の和服を着用します。このとき、羽織の脱ぎ方一つをとっても約束事があり、演目のイントロダクションともいうべき関連した話題や背景を紹介していく枕から本題に移行する合図として羽織を脱ぐ場合、大店(おおだな)などの商家を扱った演目では羽織を羽織ったままの場合、八つぁん・熊さん等の名で代表される町人や職人が登場するものでは羽織を脱ぐ、などの区別があります。更に、羽織の脱ぎ方も肩から滑らせるようにして一瞬で脱ぐ所作も注目すべき点です。このような決めごとにより、観衆の耳目を自身の芸そのものに集中させる効果をねらいます。落語は純粋な話芸であり、演じている最中は、音曲や効果音などは制限されます。ただし地域や演目などによっては、出し物の最中に音曲や効果音が使用される場合があります。また落語家の舞台のことを「高座(こうざ)」と呼びます。
一人の話者が聴衆を笑わせる芸としては、ほかに漫談があります。しかし、漫談が聴衆に語りかける話法を用いるのに対し、落語は主として登場人物同士の対話によって話が進められてゆくことがひとつの大きな特徴といえるでしょう。枕の部分を別とすれば、落語の本筋の部分では、必要最小限の情景の叙述(「地」といわれる部分)と、演出上、話からはなれて緊張を解くなどの目的で、「語りかけ」に戻ることもあるが、主として、物語は対話で成り立っています。 会話が少なく、主に所謂「地の文」で展開される話を「地噺(じばなし)」と呼びます。(『紀州』など)
対話、仕草、情景説明を用いて作り上げる世界は、聴衆の「想像力にまかせ」られていて(桂枝雀)、落語家の芸が上質になると「演者が消え」る(桂米朝)。
話の構成
本筋に入る前に演目に関わりのある小話が語られ、これを「枕」といいます。これの果たす役割は、小話で笑わせて、本題の前に聴衆をリラックスさせる、本題に関連する話題で聴衆の意識を物語の現場に引きつける、落ちへの伏線をはる、などがあげられます。古典落語の演題の中には、現在では廃れてしまった風習、言葉を扱うものがあり、それらに関する予備知識がないと、話全体や落ちが充分に楽しめないことがあり、枕がこの目的にあてられることも多いといえるでしょう。
本来の筋にはない、演者によって挿入されたおかしみのある部分を「くすぐり」と呼びます。一般的には話の筋から大きく外れないくすぐりが好まれます。
本来は落し咄は落ちによって締めくくられるが、最近は口演時間(寄席では概ね一人 15 分見当)の制約や、時代的に判り難い下げが出て来たなどの関係で、本来の下げまで行かずに終ることも多いです。 前述のように人情噺、芝居噺などのほとんどに落ちはありません。
また、厳密には話芸ではないが、食べる、飲む、歩く、走る、着るなど、登場人物の動作を、座布団の上に制限された動きで表現することも、臨場感を出す上で非常に重要な役割を果たします。
道具
使用する道具は、原則として扇子と手ぬぐいに限られます(稀に湯呑みも使われる)。扇子と手ぬぐいは、落語の表現上抽象性があらかじめ与えられており、状況に応じて、前者は箸や刀になり、後者は財布や証文になるなど、様々な用途で使用されます。
扇子は落語家の符牒で「カゼ」と呼ばれ、特に幅が広く作ってある特殊なものを使います。刀、槍、箸、筆、キセルなど棒状の物の他に、開いた状態で手紙や提灯に見立てられることもあります。
手ぬぐいは「マンダラ」と呼ばれます。財布や証文、煙草入れ、本、巾着など袋状・布状の物の他に、紐や縄として使われます。
上方落語ではこれらの他に見台と呼ばれる簡素な台と膝隠しが演者の前に置かれることがあるなどの特徴があります。
1 言葉
音声として発せられる口頭語。
2 仕草
最小限のものに限られ、基本的に立上って歩くことはない。
3 仕草のための小道具
扇子、手ぬぐい、上方落語における見台と拍子木、張扇の五種に限定される。
4 そのほか特殊な演目における付随的要素
上方落語・音曲噺のはめもの、芝居噺の書割・ツケなど。
5 口演には直接関係ないが、落語の演ぜられる場を構成する要素
出囃子、噺家の衣装(着物)、座布団、高座、めくりなど。
の五種に区分することができるます。このうち特に重要なのは言葉と仕草であり、これが落語という芸の根幹を成しているといえるでしょう。
落語が再現芸術でありながら演劇や舞踏と一線を画しているのは、演劇・舞踏といった芸能が通常扮装を伴って演技されるのに対して、落語は扮装を排し、素のままで芸を見せるためです。すなわち落語では、噺家は登場人物や話の流れに相応しい身なりや格好をモノ(衣装・小道具・大道具・書割・照明・効果音)で表現することはなく、言葉と仕草によって演出効果をねらうためです。そのために、落語の表現要素は、噺家の芸に結びつく基本的な要素(言葉、仕草)、またそれらを助けるためにその場に応じて何にでも変化できるようなニュートラルな最低限のモノ(小道具、衣装)とに区分することができると思います。
これは、素の芸であることを前提とする落語の大きな特徴であるといえるでしょう。
一般的に古典落語には定められた口演台本があり、噺家はこれを記憶して高座で再現します。すなわち落語のもっとも基礎的構成要素は、これらの台本を含めた「言葉」であるといえます。言葉の側面から見た落語には以下のような特徴が指摘できます。
・地の文と会話文(対話文)で構成されているが、噺の勘所にくると会話文によってテンポよく話をすすめてゆき、説明的な地の文がすくなくなる(この点が話芸としての講談の相違である)。
・地の文の省略によって伝えきれないディテール(登場人物の細かい気持の変化や感情、会話をとりまく情景)は仕草によって補われて表現される。
・登場人物の多寡にかかわらずすべてを一人で演じ、役割わけをしない。このため声調、言葉づかい、話しかたなどによって登場人物の個性を印象づける工夫がなされる。
・会話文から地の文への移りやその逆の場面、あるいはその他大勢的な多人数の会話においては、だれの視点から語られているのか判然としないナラティブが存在したり、気づかない間にナラティブが入れ替わったりするが、それが聴衆には不自然に聞こえない。
仕草は、落語において言葉の欠を補うための存在です。すなわち演劇のように話のすべての部分について仕草が伴っているわけではなく、言葉だけでは表現しきれない部分に補足的な意味を持って仕草が付加されているのです。もっとも「言葉だけでは表現しきれない」内容については、言葉では端的に表現できない動作や前述「言葉」の項で述べたような地の文の欠如を補うといった低次のものから、素の芸において聴衆のイマジネールを刺激するために付加されるきわめて高度のものまで含まれます。仕草においても言葉同様、一人全役が原則であり、噺家は必要に応じて次々にさまざまな役のさまざまな仕草を仕分けることになります。
仕草の主なものには次のようなものがあります。
表情:登場人物の表情を演じる。必要に応じてわざと強調した、おもしろい表情をつくることもある。
視線:上位の人物が下位の人物に話しかける場合には舞台下手を向き、逆の場合には舞台上手を向く。会話の部分において、こうして視線を切り替えることが、登場人物を仕分けて聴衆に印象付ける効果的な手法となる。
ものを食べる:閉じた扇子を箸に見立てて、あるいは手づかみで、さまざまなものを食べる仕草が落語のなかにはあり食べものや食べる状況によって仕分けるコツがそれぞれにあります。
歩く:正座したまま、あるいは軽くひざ立ちぐらいになって、手をぶらぶら動かしながら、両膝を交互に動かす。立上って実際に歩くことは基本的にありません。
書く:もっとも一般的には手ぬぐいを帳面や紙、扇子を筆に見立てて字を書きます。上方落語の場合は見台を机に見立てることもあります。
舟を漕ぐ:落語にはめずらしい大きな動きで、扇子を竿や艪にして演じる。力仕事らしい感じを出さなければならない。
寝る:横になることができないので、腕を添えてひじ枕の感じを出す。演出上の工夫である。
指さす・目をつかう:落語の性質上、噺のなかに登場するモノを実際に高座に持出すことは不可能であるために、虚空を指さしたり、見たりすることで、あたかもそれらがあるかのように演じる工夫がある。例えば「刀を抜く」という仕草の場合、扇子を柄に見立てて抜いた後、鍔元から切先まで視線を動かしながら見ると、刀の長さが観客に伝わるという口伝がある。
涙を流す:主に人情噺で多く用いられる。高座に持参した湯呑みの中の茶や湯に指をつけ、その指で目の下を縦になぞる。
落語家は単純な柄か無柄の和服を着用します。このとき、羽織の脱ぎ方一つをとっても約束事があり、演目のイントロダクションともいうべき関連した話題や背景を紹介していく枕から本題に移行する合図として羽織を脱ぐ場合、大店(おおだな)などの商家を扱った演目では羽織を羽織ったままの場合、八つぁん・熊さん等の名で代表される町人や職人が登場するものでは羽織を脱ぐ、などの区別があります。更に、羽織の脱ぎ方も肩から滑らせるようにして一瞬で脱ぐ所作も注目すべき点です。このような決めごとにより、観衆の耳目を自身の芸そのものに集中させる効果をねらいます。落語は純粋な話芸であり、演じている最中は、音曲や効果音などは制限されます。ただし地域や演目などによっては、出し物の最中に音曲や効果音が使用される場合があります。また落語家の舞台のことを「高座(こうざ)」と呼びます。
一人の話者が聴衆を笑わせる芸としては、ほかに漫談があります。しかし、漫談が聴衆に語りかける話法を用いるのに対し、落語は主として登場人物同士の対話によって話が進められてゆくことがひとつの大きな特徴といえるでしょう。枕の部分を別とすれば、落語の本筋の部分では、必要最小限の情景の叙述(「地」といわれる部分)と、演出上、話からはなれて緊張を解くなどの目的で、「語りかけ」に戻ることもあるが、主として、物語は対話で成り立っています。 会話が少なく、主に所謂「地の文」で展開される話を「地噺(じばなし)」と呼びます。(『紀州』など)
対話、仕草、情景説明を用いて作り上げる世界は、聴衆の「想像力にまかせ」られていて(桂枝雀)、落語家の芸が上質になると「演者が消え」る(桂米朝)。
話の構成
本筋に入る前に演目に関わりのある小話が語られ、これを「枕」といいます。これの果たす役割は、小話で笑わせて、本題の前に聴衆をリラックスさせる、本題に関連する話題で聴衆の意識を物語の現場に引きつける、落ちへの伏線をはる、などがあげられます。古典落語の演題の中には、現在では廃れてしまった風習、言葉を扱うものがあり、それらに関する予備知識がないと、話全体や落ちが充分に楽しめないことがあり、枕がこの目的にあてられることも多いといえるでしょう。
本来の筋にはない、演者によって挿入されたおかしみのある部分を「くすぐり」と呼びます。一般的には話の筋から大きく外れないくすぐりが好まれます。
本来は落し咄は落ちによって締めくくられるが、最近は口演時間(寄席では概ね一人 15 分見当)の制約や、時代的に判り難い下げが出て来たなどの関係で、本来の下げまで行かずに終ることも多いです。 前述のように人情噺、芝居噺などのほとんどに落ちはありません。
また、厳密には話芸ではないが、食べる、飲む、歩く、走る、着るなど、登場人物の動作を、座布団の上に制限された動きで表現することも、臨場感を出す上で非常に重要な役割を果たします。
道具
使用する道具は、原則として扇子と手ぬぐいに限られます(稀に湯呑みも使われる)。扇子と手ぬぐいは、落語の表現上抽象性があらかじめ与えられており、状況に応じて、前者は箸や刀になり、後者は財布や証文になるなど、様々な用途で使用されます。
扇子は落語家の符牒で「カゼ」と呼ばれ、特に幅が広く作ってある特殊なものを使います。刀、槍、箸、筆、キセルなど棒状の物の他に、開いた状態で手紙や提灯に見立てられることもあります。
手ぬぐいは「マンダラ」と呼ばれます。財布や証文、煙草入れ、本、巾着など袋状・布状の物の他に、紐や縄として使われます。
上方落語ではこれらの他に見台と呼ばれる簡素な台と膝隠しが演者の前に置かれることがあるなどの特徴があります。
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