「盃の殿様」 三遊亭圓生(6)

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前回の「将棋の殿様」につづき、今回は殿様つながりで「盃の殿様」を選びました。
演ずるは六代目三遊亭圓生師匠です。

今回のお殿様は気鬱症でありながらも、なかなか色艶のある殿様です。
家臣360名超揃って、吉原に冷やかしに出掛けるなど、豪快ぶりも並大抵ではありません。

そして、花魁との遠距離恋愛が何とも粋です。

「妾馬」 三遊亭圓生(6)

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六代目三遊亭圓生師匠の語り口は、江戸弁を大事にし、どこか気障な感じのするところが、粋で格好良く思えます。
そして、合間に湯のみに手を掛け、茶をすするときの感じ(音からだけですが)も好きです。

実は落語協会分裂騒ぎを巡って、「御乱心」(絶版)という本がありまして、その中で圓生師匠に対して厳しく、批判的なことがいろいろと書かれていましたので、CDで聴くのも避けていた時期がありました。

この本に書かれている内容が本当かどうかは分かりませんが、そんな人格が芸に出ているのかどうかを確認してみようと思って、聴き始めたのがきっかけです。
実際には、圓生師匠の録音音源として残っているものは、分裂騒ぎのはるか以前に録音されたものばかりのため、前述の問いに対する答えは得られていません。

しかしながら、分裂騒ぎの原因となった、真打大量昇進に対して、「NO!」と言った、芸道への厳しさはかつての音源からもひしひしと感じることができます。

今回の音源となっているのは、「日本伝統文化振興財団」シリーズの1枚目、しかも一番最初の演目、「妾馬」です。
1963年(昭和38年)8月31日に東宝演芸場で録音されたものです。

圓生師匠の場合、スタジオで録音した音源などもありますが、私として客席の反応を見ながら、ときに自嘲することもある、客ありの音源の方が好きです。